Juice=Juice『盛れ!ミ・アモーレ / 四の五の言わず颯と別れてあげた』レビュー──“盛れ”の衝動と静かな決意が交差する感情のレッスン
Juice=Juiceの最新両A面シングル『盛れ!ミ・アモーレ / 四の五の言わず颯(さっ)と別れてあげた』は、“衝動”と“静けさ”という感情の極を鮮やかに描き出す、J-POPの現在地です。
このレビューでは、アーティストへの敬意と作品への還元を願いながら、音楽の魅力を世代やメディアを超えて伝える“橋渡し役”として、そっと語りかけるように綴っていきます。
「静かな決意」と「爆発的な肯定感」──この両A面が描く二極の感情は、まるで私たちの心の奥にある“強さ”と“喜び”をそっと言語化してくれるようです。今という時代に、必要とされる感情のかたちがここにあります。
“盛れ”の衝動と“颯”の余韻──この一枚が、あなたの感情にそっと火を灯すかもしれません。
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- Juice=Juice『盛れ!ミ・アモーレ / 四の五の言わず颯と別れてあげた』レビュー──“盛れ”の衝動と静かな決意が交差する感情のレッスン
- “盛れ”と“颯”が交差する感情の二極──この両A面が今、響く理由
- 基本情報
- 現代J-POPとしての音楽性と歌詞世界
- アーティストの現在地とこの曲が担う意味
- 響きと記憶の接点──そっと寄り添うように
- まとめ──“盛れ”と“颯”が描く、私たちの感情の現在地
- 記事情報
- 🔊 音の風景に、耳を澄ませて
- 📀 秋の光に、音を添えて
“盛れ”と“颯”が交差する感情の二極──この両A面が今、響く理由
このシングルが放つ衝撃は、単なる対照性ではありません。むしろ、感情の振れ幅そのものが作品の本質です。
『四の五の言わず颯と別れてあげた』は、都会的で切実な別れの美学。MVレビューでも語られたように、「颯」という一語が、涙を見せずに別れを選ぶ“静かな矜持”を象徴しています。
一方、『盛れ!ミ・アモーレ』は、ラテンの祝祭感と現代的な電子ビートが融合した“衝動の肯定”。「盛れ!」という言葉に込められたのは、ただ映えることではなく、“生きる熱”そのものです。
この二曲を同時に届けてくれたJuice=Juiceは、まさに“感情のすべてを歌いこなす”表現者。その姿に、私たちは安心して身を委ねることができます。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| リリース日 | 2025年10月8日(水) |
| ジャンル | J-POP / ミディアム・バラード / ラテン・ダンス |
| レーベル | UP-FRONT WORKS (hachama) |
| 収録曲数 | 4曲(インスト含む) |
| 総再生時間 | 約14分50秒 |
トラックリスト(初回生産限定盤SP)
| # | 曲名 | 作詞 | 作曲 | 編曲 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 四の五の言わず颯と別れてあげた | 大森祥子 | KOUGA | 荒幡亮平 |
| 2 | 盛れ!ミ・アモーレ | 山崎あおい | 山崎あおい | 炭竃智弘 |
| 3 | 四の五の言わず颯と別れてあげた (Instrumental) | 大森祥子 | KOUGA | 荒幡亮平 |
| 4 | 盛れ!ミ・アモーレ (Instrumental) | 山崎あおい | 山崎あおい | 炭竃智弘 |
【初回生産限定盤SP】には、2025年5月31日開催『Juice=Juice Concert Tour 2025 ~Crimson≠Azure~』のライブ映像17曲を収録。武道館で披露されなかった楽曲を中心に構成されており、ツアー全体を感じるにはこのBlu-rayと、10月29日発売の『Crimson×Azure Special』で完成する印象です。修正が少ない分、ライブの息遣いがそのまま伝わってきます。
現代J-POPとしての音楽性と歌詞世界
『四の五の言わず颯と別れてあげた』──別れの美学と静かな強さ
イントロのピアノはもちろん印象的ですが、Instrumentalで聴くとギターの“隠し味”がこの曲の深みを支えていることに気づきます。さりげなく感情の輪郭を描くギターフレーズ──それは、言葉にならない気持ちを代弁するようです。
四の五の言わず 颯と別れてあげた
この一節は、未練を断ち切る強さではなく、“自分を保つための優しさ”なのかもしれません。若い世代には“自己決定の勇気”として、大人世代には“かつての痛み”として響く──そんな普遍性を持った一曲です。
『盛れ!ミ・アモーレ』──衝動の再構築と無限の肯定感
歌無しで聴くと、大野雄二さんのようなジャズ・ラテンの香りが漂います。遊び心と情熱が同居する編曲は、炭竃智弘さんならではの妙技。ルパン三世のテーマを思わせる瞬間もあり、音楽的な遊びが随所に散りばめられています。
盛れ!ミ・アモーレ 盛れ!ミ・アモーレ 盛ってこ!
この言葉は、ただの流行語ではなく、“自分を愛すること”への祝福。MVの光芒、ライブの熱量──それらすべてが“生きる肯定”を体現しています。
アーティストの現在地とこの曲が担う意味
現在のJuice=Juiceは、11名のメンバーで活動中:
- 段原瑠々
- 井上玲音
- 工藤由愛
- 松永里愛
- 有澤一華
- 入江里咲
- 江端妃咲
- 石山咲良
- 遠藤彩加里
- 川嶋美楓
- 林仁愛(新メンバー)
11人それぞれが異なる色を持ちながら、今作では“別れ”と“衝動”というテーマを通じて、ひとつの感情のグラデーションを描いています。Juice=Juiceというグループの“今”が、ここに刻まれています。
『四の五の言わず颯と別れてあげた』では、段原瑠々のピアノと井上玲音の歌声が織りなす“れいるる”の美学が、グループの成熟を象徴。
『盛れ!ミ・アモーレ』では、遠藤彩加里のダンスと川嶋美楓のパートが、衝動の中心を担い、ライブでの祝祭感を牽引しています。
この二面性を同時に提示することで、Juice=Juiceは“歌で魅せる”という軸を保ちつつ、“表現の多様性”という新たな武器を手に入れました。
響きと記憶の接点──そっと寄り添うように
『四の五の言わず颯と別れてあげた』を聴いていると、ふと昔の別れの記憶がよみがえってきます。あの頃、私たちは「強くあろう」として、涙を見せることを避けていた。だけど本当は、心の奥で誰かを思い続けていた──そんな“静かな痛み”を、この曲はそっと包み込んでくれるようです。
そして、インストゥルメンタルで改めて気づくギターの存在。ピアノが感情の輪郭を描く一方で、ギターはまるで“記憶のささやき”のように、隠し味として様々なフレーズを忍ばせています。聴き込むほどに、別れの余韻が深まっていくのです。
『盛れ!ミ・アモーレ』は、まったく違う方向から心を揺らしてきます。歌のない状態で聴くと、ルパン三世のテーマを彷彿とさせるような、ジャズとラテンの香りが漂ってくる──それは、音楽の遊び心と情熱が共存する証。この曲が持つ“盛れ”の肯定感は、若い世代が自分らしさを堂々と表現する姿と重なり、聴いている私たちも自然と笑顔になってしまいます。
まとめ──“盛れ”と“颯”が描く、私たちの感情の現在地
Juice=Juiceの『盛れ!ミ・アモーレ / 四の五の言わず颯と別れてあげた』は、まるで人生のレッスンのような一枚です。
『四の五の言わず颯と別れてあげた』は、“静かな強さ”をそっと差し出してくれる楽曲。別れを経験した人には、涙を見せずに前を向く勇気を。
『盛れ!ミ・アモーレ』は、“衝動の肯定”を全力で祝福する楽曲。これから人生を“盛って”いく人には、自分らしさを堂々と表現する熱を。
この両A面は、聴く人の感情に寄り添い、そっと背中を押してくれる“音楽の伴走者”です。
あなたは、どちらの感情に耳を傾けますか──静かな決意、それとも衝動の肯定?
そして、次に聴いてほしいのは──『微炭酸』。
この曲は、『四の五の言わず』と同じく、冷たさの中に熱い感情を閉じ込めたミディアム・バラードの傑作です。恋の始まりと終わり、その間にある“揺らぎ”を、繊細な音と言葉で描いています。Juice=Juiceが持つ“感情のグラデーション”をさらに深く味わいたい方には、ぜひおすすめしたい一曲です。
🎧 次に聴くべき1曲:『微炭酸』
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楽曲の余韻、MVの演出、歌声のニュアンス──そのすべてを網羅的に分析しています。
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記事情報
🔊 音の風景に、耳を澄ませて
レビューで描いた情景を、音源で感じてみませんか。
このプレイリストには、光と影が交差する瞬間が詰まっています。
※動画は「Juice=Juice『四の五の言わず颯(さっ)と別れてあげた / 盛れ!ミ・アモーレ』」公式YouTubeプレイリストより引用
📀 秋の光に、音を添えて
あの頃の旋律が、今、あなたの時間に寄り添います。
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